理論から実践へ!リーダーのための入浴介助研修会・徹底実技 | 看護医療ゼミ

理論から実践へ!リーダーのための入浴介助研修会・徹底実技

開催日 2018年08月26日(日)
時 間 午前10時15分~午後4時15分
地 域 大阪
会 場 ウェルおおさか・4階・介護実習室
講 師 松本健史先生
受講料 10,000円(税込)
定 員 36名
セミナーコード MT15
割引適用 会員割引(5%割引)
●団体でのお申し込みには割引があります●
2名から4名お申し込みの場合は5%off→9,500円
5名から9名お申し込みの場合は10%off→9,000円
10名以上のお申し込みの場合は15%off→8,500円
お願い 車で来られる方は、駐車場を各自で確保してください。 昼食は各自でご用意ください。
前回満席です。お申し込みはお早めに。
定員に達した場合は、直ぐにホームページでお知らせいたします。
備考 講師プロフィール
松本リハビリ研究所
理学療法士、介護支援専門員、社会福祉学修士
1997年関西大学法学部政治学科を卒業し、阪神大震災ボランティアの経験後リハビリの道へ
2000年に九州リハビリテーション大学校を卒業、同年熊本機能病院に勤務
2004年NPO法人丹後福祉応援団に入り、デイサービス「生活リハビリ道場」の立ち上げに参加
2007年4月介護雑誌『ブリコラージュ』に連載開始
2010年12月介護が楽しく楽になる『生活リハビリ術』理学療法士の21の提案(ブリコラージュ)を出版
現在、デイサービスを拠点に、在宅、老人ホームにてリハビリ介護のアドバイスを行っている。趣味はマラソン

講師から受講生のみなさんへ

松本健史先生のフロフェッショナル!! 入浴の達人・第二弾~

ワークで学ぶ。

介護現場の理学療法士に学ぶ!! 入浴介助完全マスター!!

介護は入浴から変えていこう!

この講座を受けると老人ホームや医療施設で肩までつかって気持ちいい入浴が実現できます。
利用者さんが清潔になるだけでなく、とても落ち着いて生活していただくことにもつながります。

入浴介助は誰でも悩むところだと思います。

また危険も伴います。

新人を育てるリーダークラスに焦点を当てて解剖学・運動学を基礎からおさえて臨む、ひとつ上のレベルの入浴介助研修会です。

内容

1. 生活の中で考える入浴の大きな役割

『生きていこう』が始まる入浴介助とは?


2. 環境でこんなに変わる!

お風呂環境設定のポイント


3. 入浴は介護で一番難しい!

全ての介助で役立つ解剖学的ポイント


4. ヒトの動きに必要なのは筋力よりもバランスです!

全ての場面で役立つ運動学的ポイント


5.実際に体験してみよう!

生活動作の宝庫、入浴介助実技


※浴槽を使っての実技演習です。


 



実習では水は張りません。




★受講された方全員に「受講証明書」をお渡ししております★



弊社スタッフを使っての実技



※松本健史先生のブログから(モデルは弊社スタッフ)


介護の集大成  ”フロフェッショナル” になろう!

                         松本健史(松本リハビリ研究所 理学療法士)


とうとう最終回となりました。これまでの知識を、現場の実践にどう役立てるか?入浴を題材に考えてみます。本連載の集大成と思ってお付き合いください。


入浴ケアが広まってはきましたが・・・

多くの介護施設が個別浴槽(以下、個浴)を導入しています。肩までつかる気持ちのいいおフロがはじまり「利用者さんに喜んでもらえた!」「元気になった!」という声を聞く一方、「個浴がうまく使えません」という施設も多いようです。この違いは何でしょうか?

カタチだけ導入しても、ケアはよくなりません。僕は入浴ケアもふだんのケアの積み重ねが明暗を分けていることに気がつきました。この連載で培ってきた運動学・解剖学・生理学の知識を動員すれば、きっとすてきな入浴ケアが実現できます。


生活動作の最難関が入浴です!

お風呂は生活動作の中で一番難しい動作です。なぜなら、車いすで生活している人のほとんどが「床にお尻がつく姿勢」をとることはありません。一日のうちで唯一、浴槽に入っている時のみ、お尻が床につくのです。しかも浴槽は水ですべりやすく、立ち上がりや出入りは、とても難しい動作となります。多くの人はそれに恐怖感を覚えるのです。安心して入ってもらうためには、介助者のサポート力が問われるのです。


入浴介助がへたな職員の特徴

お風呂が生活動作の中で一番難しいということを述べました。だから改修工事などでせっかく個浴を準備しても、結局「自立の人しか浴槽に入れない」という施設も多いようです。うまくいかない施設はなにがいけないのでしょうか?

僕はいくつか理由があると思いました。個浴をカタチだけ導入しても、以下の視点が抜けていると、うまくいかないのです。まさしく本連載で伝えてきたことばかり。そう入浴ケアは介護の集大成といえるのです。


①解剖学を理解した介助

②運動学を理解した介助

③そのひとらしいお風呂づくり(環境設定)


それではひとつひとつみていきましょう。


①解剖学を理解した介助

写真は普段の介助で立ち上がりを支える時の写真です。DSC01696


このときズボンのウェストを持って「ヨイショ」と引っ張り上げるように介助するシーンをよく見かけます。この介助に慣れてしまっていると、入浴中は裸ですから「引っ張るためのズボンがない!」と介助者は困ってしまいます。


困った挙句、ワキを持って引っ張りあげるような介助になってしまうのです(下図)。


スライド121


坐骨結節を支えた立ち上がり介助


スライド107


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大転子を支えた立ち上がり介助


DSC01467


 


ふだんからできるだけズボンを引っ張るのではなく、おしりの下部あるいは側方を支える介助を心がけるといいでしょう。この介助には解剖学の知識が必要です。おしりの下部には「坐骨結節」、側方には「大転子」という支えやすい部分があります。このポイントを知っていると裸の人でも安定して支えることができるのです。


入浴介助に役立つ解剖学上のポイント 「坐骨結節」「大転子」


大転子を支えた、浴槽での立ち上がり介助


浴槽からの立ち上がり動作はを後方から大転子を支えて介助しているところ。

このように支えやすい解剖学上のポイントを知っておくと安全な介助ができます。


 


運動学を理解した介助

浴槽から立ち上がる動作は本人の姿勢と動作の誘導が大事です。浴槽の床から立ち上がる動作が安定して行えるひとは、実は普段の立ち上がりでも運動学上のポイントを踏まえた立ち上がりができているのです。

図は連載第4回で紹介した立ち上がりの3条件です。


人は立ち上がり動作を行う際、図の3条件が必要です。

立ち上がりの3条件

日総研141108 (2)


①前かがみ

②足を引く

③適したイスの高さ


普段の立ち上がり動作を介助するときに、この3条件を大切にすると見違えるように立てる人がいます。ただ入浴時はお尻が地面についています。これは条件の③「適したイスの高さ」 が奪われてしまった状態です。ですから、この時は残りの2条件をいつも以上に意識して、①前かがみ→しっかり前かがみ、②足を引く→しっかり足を引く、という、すこし大げさなぐらいの姿勢づくりが大切になります。そうするとお湯の中で助けてくれる力が現れます。さてなんでしょう?そう!「浮力」です。浮力を味方にするとお尻が浮いてきて、案外簡単に立ち上がり動作が実現します。


立ち上がり


お風呂の中での浴槽での立ち上がりを横からみた写真


DSC01467

浴槽での立ち上がりの3条件

①しっかり前かがみ

②しっかり足を引く

③浮力

をしっかり利用する。


ポイント

浮力が働きお尻が浮く。後方から支えて臀部を前方に押す(引き上げるように介助しない。腰を痛めます)。


また普段から身体機能の評価ができていると、お風呂の時にどんな介助が必要か、どんな環境設定が必要かなどを考え、安心、安全なお風呂介助ができるでしょう。

入浴の身体機能チェック

①座位保持の能力(体幹の筋力、立ち直り反応の有無)

②上肢・下肢の筋力 (とくに浴槽で身体を支える下肢筋力)

③関節の可動域(とくに股・膝関節)

④疾患の諸注意(左右の麻痺、人工関節の脱臼肢位など)

これらをチェックし、どういった介助法が適切かを考えていきます。


その人らしい入浴を実現する!フロフェッショナルになろう!

「認知症があって入浴を拒否される。入ってもらえない」という相談を受けることがあります。その場合、「どう誘導するか?」だけに知恵を絞るのではなく、本人さんや家族さんのお話などから、本人さんがいままでどんな仕事をして、どんな時間帯に、どんなお風呂に入ってきたか?そんな視点を持つことをおすすめしています。ぜひ、その人らしい、リラックスしたお風呂とは何かを考えてみてください。

お湯の温度、入る時間帯、手順(身体を洗ってから入るのか、先に浴槽につかるのか?風呂上がりのビールは好きか?)

お風呂はとてもデリケートでプライベートな時間のはずです。そういった十人十色のお風呂を考えて用意していくことが、「こんな風呂ならまた入ろう」という気持ちの変化につながっていくものです。(記憶障害があっても、いい気持ちだった、いやな気持ちだった、そんな『快・不快の感触』は残っているもの。僕たちは利用者さんとその感触を積み重ねることができるのです。)


その人らしいお風呂が用意でき、また入りたくなる・・・そんな入浴ケアが出来る人を僕はフロフェッショナルと呼んでいます